2025年の共通テストが終わりました。
新課程ということもあり、様々な変更がありましたので、そのあたりも含めて私山﨑なりの分析と中学生および高1・2生のための今後の対策を伝えていきます。
新課程数学ⅠAの大きな変更点
新課程初年度ということで、昨年との大きな違いは
・選択問題がなくなり、全問必答(4題)となった
・数学A分野からの出題が、場合の数・確率と図形の性質だけになり、整数問題の出題がなくなった
・データの分析に外れ値・仮説検定の内容が登場
・場合の数・確率に期待値が登場
となりました。昨年までは、図形を苦手とする人は整数問題という逃げ道(?)があったのですが、全員解かなくてはなりません。
難易度について
昨年と大きな変化はなし
相変わらず文章量と問題量が多いですが、複雑な計算もほとんどなく、誘導も丁寧であるので解きやすい内容だったと思われます。気持ちやや易化かなと私は思います。
出題分量
昨年と大きな変化なし
昨年より、やや文章量とマークする問題は増えたが、計算量が多い問題がほとんど見られなかったので大きく変わらない。
出題傾向
変更あり
昨年までの選択問題から、今年は4題必答となりました。
昨年は数学Aの3分野(場合の数・確率、図形の性質、整数問題)からの2つの選択でしたが
今回からは、場合の数・確率と図形の性質が必答となり、整数の内容がなくなりました。
また、三角比表を利用した問題がなく、データの分析では外れ値・仮説検定、場合の数・確率では期待値といった新たな内容が出題されました。
大問別分析
第1問 [1]数と式 [2]図形と計量 (配点30点)
[1]文字係数を含む2次方程式の解を題材に、因数分解および解を求めさせる問題であった。最後の設問に必要・十分条件の内容が問われてたが、計算量も少なく指示された通りに解き進めればスムーズに終わる内容であった。 [2]図が与えられ誘導も丁寧であり、解きやすく感じる。後半に外接円の半径などの大小関係で少し戸惑ったかもしれないが、正弦定理や余弦定理を適切に用いれば、難しくはない内容であった。第2問 [1]2次関数 [データの分析] (配点30点)
[1]3つの噴水を題材に放物線の式を決定させる問題であった。与えられた条件から式の設定を間違えなければ、複雑な計算もすることなく解ける内容であった。問題文にある式をそのまま用いた人は苦しんだかもしれない。最大値最小値についての問題は出されなかった。 [2]47都道府県における外国人と日本人の宿泊数という「インバウンド」をネタとするデータについて考える内容であった。計算量もほとんどなく、与えれたデータも読み取りやすく、基本をしっかりと身に付けていた人には解きやすかった内容であった。昨年までにない外れ値・仮説検定が登場。計算量がないとはいえ、分散についての理解が乏しいと苦戦したかもしれない。第3問 図形の性質
いびつな五面体を素材に空間図形を考える内容であった。
交点がどの面に存在しているかを考えたり、相似な図形や方べきの定理などを利用して辺の長さを求めていくものであった。最後の設問は平面や直線とのなす角についての正誤問題であったが、やりづらいと感じる生徒が多かったと思われる。
第4問 場合の数・確率
ゲームに参加する確率についての内容で、事前に確率が用意されている珍しい設定であった。
その確率から期待値を求めることで、そのゲームに参加する料金の設定が妥当であるかということを考えさせる問題であった。宝くじなどの期待値を考えたことがある人にとっては馴染みのある内容であり、起こり得る場合も少ないため期待値も求めやすい。きちんと内容が読み取れていれば解きやすい内容であった。
総評
新課程初回のテストであったが、以前と同様に誘導は丁寧であり、計算量もあまり多くない解きやすい内容であった。ただし、以前として第2問を中心に文章量が多いこと、外れ値や敬遠しがちな仮説検定などの新しい内容や見慣れない図形、確率の設定などにやや戸惑った生徒がいたと思われる。
今後の対策
まず教科書の内容および学校で学んだことをしっかりと理解することが必要です。各単元の中身を理解せずに公式を覚え似たような問題だけを解いているだけだと厳しいでしょう。
内容を理解した上で、定番問題をしっかりすばやくと解けるようにすることです。
また、今回は計算量が少ない内容でしたが、あくまで計算力がある人からすると少ないと感じる内容です。普段から問題集の計算部分をしっかり練習して、計算で考えることがないようにしてきましょう。
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山﨑