「いまさら中学数学なんて……」と思っている人に欠けている思考とは?

高校生が中学数学をやり直すべき理由 勉強法

「高校生なのに、いまさら中学数学なんて……」

もし、そう思っているのであれば……
ちょっと厳しいことを言います。

その考え方が、数学の立て直しを遅らせているのかもしれません。

高校生だから、高校数学を勉強する。
高校1年生だから、数学Ⅰを勉強する。

一見すると、当たり前のように思えます。

でもですね……
学年相応の教材を使っていることと、
学年相応の力が身につくことは、まったく別です。

高校数学の問題集を開いていても、一問目から手が止まる。
解説を読んでも理解できない。
先生に教えてもらった直後は分かるけれど、一人になると解けない。

それでも、

「高校生なのだから、高校数学をやらなければ」

と、同じ勉強を続けている。

これでは、数学ができるようになるための勉強ではなく、
高校数学を勉強しているように見せるための勉強になってしまいます。

実は今朝、秩父にある三峯神社へ向かったのですが、
西武秩父駅のバス待ちがあまりに長く、途中で断念しました。( ;∀;)

そのまま無理に進めば、一日の予定が大きく崩れてしまう。
そこで、今回は引き返し、次は自宅から車で向かうことにしました。

目的へ進むためには、いったん戻り、方法を選び直した方が早いことがあります。

数学の学び直しも、これと同じなんですよね……

こんにちは。
オンライン理系専門塾プロパスの山﨑です。

前回の記事では、数学の勉強をしないのは「何をすればいいか分からない」のかもしれない、という話を書きました。

高校数学で苦戦している生徒を見ていると、
原因が高校数学ではなく、中学数学にあることがよくあります。

正負の数の計算。
文字式。
方程式。
比例・反比例。
一次関数。

こうした内容が曖昧なまま、
高校数学だけを進めようとしている子が本当に多いんです。

土台が不安定なのに、その上へ新しいものを積み上げようとしている。
これで苦しくならない方が不思議です。

そこで、「一度、中学数学まで戻ってみよう」と提案することがあります。

すると、生徒本人からも、保護者の方からも、
「高校生なのに、中学数学をやっていて大丈夫でしょうか?」
という反応が返ってくることがあります。

その気持ちは、よく分かります。
そりゃそうですよね。
高校生なのだから、高校数学をやってほしい。そう思うのは当然です。

ただ、ここで考えてほしいことがあります。

数学を勉強する目的は、
「今の学年の教材を開くこと」でしょうか。

それとも、
「今は解けない問題を、自分で解けるようにすること」でしょうか。

「いまさら中学数学なんて……」と思っている人に欠けているのは、
今の学年ではなく、目的から逆算して考えることなのです。

高校生だから、高校数学をやる?

高校生だから、高校数学を勉強する。

一見すると、当たり前のように思えます。

ただ、本当の目的は、

「高校数学の教材を開くこと」

ではありません。

「高校数学を自分で解けるようになること」

のはずです。

ここは、かなり大きな違いです。

高校数学の問題集を開いていても、
問題がほとんど解けない。

解説を読んでも理解できない。

先生に説明してもらった直後だけ分かる。

少し形が変わると、また解けなくなる。

この状態で高校数学を続けても、

「高校数学を勉強している」

という形だけになってしまいます。

数学は、前の内容を使いながら
新しい内容を学んでいく教科です。

中学数学で学んだ計算や考え方は、

高校へ進学した瞬間に
使わなくなるわけではありません。

むしろ高校数学では、

中学数学ができることを前提にして
授業が進んでいきます。

例えば、二次方程式を学び直そうとしても、

正負の数の計算や文字式が曖昧なら、
途中の計算で止まります。

一次関数が分からないままでは、

二次関数のグラフを理解するのも難しくなります。

高校数学だけを頑張ろうとしても、
その土台となる中学数学で止まってしまうのです。

それならば、

そのまま高校数学を続けるよりも、
必要なところまで戻った方が早い。

私はそう考えています。
というか、その方が圧倒的に早いです。

戻ることは、後退ではない

中学数学へ戻ることに
抵抗を感じる理由の一つは、

「戻る=後退」

と考えてしまうからだと思います。

でもですね……
数学の学習では、ちょっと違います。

分からなくなった地点まで戻ることは、
前へ進むための準備です。

道を間違えたときも同じですよね。

間違った道をそのまま進み続けても、
目的地には近づきません。

一度戻って正しい道へ入り直した方が、
結果として早く着きます。

数学も同じです。

高校数学の問題集を何時間眺めても、
原因が中学数学にあるなら解決しません。

それならば、

一度、中学数学まで戻る。

曖昧になっている部分を見つける。

必要な内容を学び直す。

そして、高校数学へ戻ってくる。

こちらの方が、ずっと効率的です。

「前の学年へ戻らないこと」よりも、

「最終的に自分で解けるようになること」

の方が大切ではないでしょうか。

中学数学を全部やり直す必要はない

ここで、

「中学数学を3年分、最初から全部やり直すの?」

と思う人もいるかもしれません。

もちろん、本当に必要なら
最初から取り組む場合もあります。

でも、全員が中学数学を
最初から最後までやり直す必要はありません。

まずは実際に問題を解いてみます。

すると、

正負の数はできる。

文字式も基本は分かっている。

方程式は計算できる。

でも、文章から式を作れない。

グラフになると急に分からなくなる。

というように、

できるところと、できないところが
少しずつ見えてきます。

必要なのは、

「中学数学を全部やり直すこと」

ではなく、

高校数学を理解するために必要な部分を、
必要なところまで戻って学び直すこと

です。

戻る場所が分かれば、
やるべきことも明確になります。

何となく高校数学の問題集を繰り返すより、
ずっと意味のある学習になります。

学年よりも、現在地を見る

高校1年生だから、数学Ⅰ。

高校2年生だから、数学Ⅱ。

もちろん、学校の授業は
そのように進んでいきます。

ただ、生徒一人ひとりの理解も
学年どおりに進んでいるとは限りません。

高校生であっても、

中学1年生の計算で止まっていることがあります。

反対に、中学数学の一部を確認するだけで、
高校数学が一気につながることもあります。

だからこそ、

「何年生なのか」

だけを見るのではなく、

「いま、どこまで理解できているのか」

を見る必要があります。

学年は、その生徒の所属を示すものです。

しかし、学年がそのまま
数学の理解度を表しているわけではありません。

学年に合わせた教材を無理に進めるより、

現在地に合った内容から始めた方が、
できることは増えていきます。

そして、できる問題が増えれば、

「自分にも解ける」

という感覚も少しずつ戻ってきます。

「いまさら」ではなく「今だからこそ」

中学数学へ戻るのに、
遅すぎるということはありません。

むしろ、

高校数学が分からなくなっている
今だからこそ、

一度立ち止まって土台を確認する意味があります。

分からないまま先へ進み続ければ、
つまずきはさらに増えていきます。

一方で、

必要なところまで戻って学び直せば、
その先の理解につながります。

ですから、

「いまさら中学数学なんて……」

ではなく、

「高校数学を理解するために、
いま中学数学のどこへ戻るべきか?」

と考えてみてください。

必要な場所へ戻るのは、
恥ずかしいことではありません。

逃げているわけでもありません。

自分の目的に向かって、
学び方を選び直しているのです。

大切なのは、

高校生らしい教材を使うことではなく、
最終的に自分で解けるようになること。

その目的から逆算すれば、

中学数学へ戻ることは、
決して遠回りではないと思います。

今回、ちょっときついタイトルにしましたが、
中学数学へ戻ることをためらっている子を責めたいわけではありません。

むしろ、高校数学の教材を前にして止まってしまっている子に、
「戻ることは恥ずかしいことではない」
と伝えたいんです。

戻っていいんです。
というか、戻るべきときもあります。

そこで「できた」を少しずつ増やしてから、
もう一度、高校数学へ進めばいい。

私はそう思っています。

それでは、また別の記事でお会いしましょう。

オンライン理系専門塾プロパス
塾長 山﨑慎太郎
数学・物理担当&心理カウンセラー

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