自宅のリビングにて……
「この問題の意味が分からないんです」
以前、数Ⅱの質問に来た高3の子がいました。
いくつか例を書いて、どこで止まっているのかを一緒に探していったのですが……
たどり着いたのは、数Ⅱでも数Ⅰでもなく、
中2で習う「1次関数のグラフ」でした。
高3です。
約4年間、分からないままここまで来ていたことになります。
こんにちは。
オンライン理系専門塾プロパスの山﨑です。
前回の記事では、「いまさら中学数学なんて……」と思わずに、必要なところまで戻ってほしい、という話を書きました。
今回は、実際に「どこまで戻る必要があったのか」を、ある高3の子の質問対応をもとにお話しします。
質問をたどっていくと、中2に着いた
その子の質問は、数Ⅱの問題でした。
問題の意味が分からないということだったので、いくつか例を出して聞いてみると、
そもそもその単元の基本があいまいだと分かりました。
ここまでなら、まだよかったんです。
その単元だけテコ入れすれば済むので。
ところが、その問題を解くには数Ⅰの知識が必要でした。
そして、その数Ⅰの内容もあいまいでした。
そこで、数Ⅰの内容を確認するために、中学数学を題材にして説明してみました。
ここで、正直驚きました。
中2で習う1次関数のグラフが分かっていなかったのです。
この子をバカにするつもりは、まったくありません。
本人はいたって真剣でした。
ただ、ここまで誰にも気づいてもらえないまま来てしまった、ということなのだと思います。
「分かっていない」ことが分かっていない
分かりづらい日本語で申し訳ないのですが、
「分かっていないことが、分かっていない」
という状態の子は、本当に多いです。
たとえるなら、
「そのまま進むと落とし穴があるよ~」
という道を、何も知らずに歩いているような感じです(苦笑)
でもですね……
これは勉強ではよくあることです。
道の落とし穴と違って、
勉強のつまずきは目に見えません。
本人は「数Ⅱが分からない」と思っている。
でも本当の原因は、ずっと手前にある。
これでは、数Ⅱの問題集を何周しても、なかなか解決しません。
質問に答えるだけでは、解決しない
実はこの子、最初は別の講師に質問していました。
横で様子を見ていると、説明を聞いている表情から
「あぁ、これは全然理解できていないなぁ~」
というのが伝わってきました。
そこで途中から代わってもらい、
「これ、何でこう書けるか分かっていないよね?」
と聞いてみると、
「はい、そうです……」という返事。
その日は、ここから丁寧に教えてあげてほしいとお願いして終わりました。
ところが翌日、その子にばったり会ったので
「昨日の話は解決した?」と聞いてみると……
「解決していません……」
えっ^^;
ということで、そこから私が説明することになりました。
質問された問題に答えること自体は、そこまで難しくありません。
でも、その子が本当につまずいている場所は、質問された問題の中にはないことが多いんです。
本当に必要なのは、質問に答えることではなく、その奥にある原因を見つけること。
私はそう思っています。
どこまで戻ればいいかを見つける方法
では、自分で「どこまで戻ればいいか」を見つけるにはどうすればいいのか。
おすすめは、分からない問題を1つ決めて、1段ずつさかのぼることです。
- 分からない問題の解説を読んで、最初に「これ何で?」と思った1行を探す
- その1行で使っている知識が、どの単元の内容かを確認する
- その単元の基本問題を解いてみる
- 解けなければ、さらにその前の単元へ戻る
これを、
「解ける」ところにたどり着くまで
繰り返します。
今回の子の場合は、
数Ⅱ → 数Ⅰ → 中2の1次関数
と、3段さかのぼったところで、ようやく足場が見つかりました。
ポイントは、学年ではなく「解けるかどうか」で判断することです。
「高3なのに中2まで戻るなんて……」
と思う必要はありません。
戻る場所が分かったこと自体が、大きな前進です。
戻る場所が分かれば、あとは進むだけ
分からないところが分からないまま進むのは、
地図を持たずに歩くようなものです。
でも、戻る場所が分かれば、あとはそこから順に積み上げていくだけです。
もうすぐ中間テストの時期ですね。
問題集を開いても手が止まるという人は、
一度、1段ずつさかのぼってみてください。
案外、思っていたより手前に原因があるかもしれません。
それでは、また別の記事でお会いしましょう。
オンライン理系専門塾プロパス
塾長 山﨑慎太郎
数学・物理担当&心理カウンセラー
※この記事は、2025年6月に公開した記事を書き直したものです。


